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知らないことを調べるブログ

映画の分からないところを調べてまとめる場所にしていきます。

演出で、こういうところが好きなんだなとわかった「アンドリューNDR114」

 最近みた映画。

アンドリューNDR114(1999)
ヘアスプレー(2007)
カリガリ博士(1919)
ロープ(1948)



 自我に目覚めてしまったロボットが200年間かけて頑張るロビン=ウィリアムズ主演映画「アンドリューNDR114」を再鑑賞。やっぱり好き。

 監督のクリス=コロンバスは、マコーレ=カルキンが留守番中に泥棒をオーバーキルでやっつける映画「ホームアローン1・2」の監督。他では、僕の大好きなシュワちゃんコメディ(でラジー賞最低監督賞ノミネート作品)の「ジングル・オール・ザ・ウェイ」の制作もしていた人みたい。暗くなる前のハリポタシリーズも監督として参加してる。彼のフィルモグラフィーには未見の作品がいくつもあるから今度みてみよう。

 久々にアンドリューを再見して、特に発見だったのが、演出で、こういうところが好きなんだなとわかったこと。ホームアローン2で好きだった演出のひとつと繋がった。というわけで、はじめに、ホームアローン2の好きなところを挙げる。

 ホームアローン2で、主人公のケビンは絶望的な状況に陥ってしまっている。クリスマスに家族と離れて見知らぬ都会でひとりぼっち。さらに悪いことに、以前退治したはずの泥棒たちがおもちゃ屋の売上を盗む計画を立てていることを知ってしまう。その売上がこども病院の寄付に賄われることを主人公は知っている。さあどうする、という段取りを重ねたうえでのこのシーン。

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 次にアンドリューから。映画アンドリューでは、人間になりたいロボットの主人公が、人間の細やかな感情の機微のあらわし方を、自分はロボットだから出来なくて残念がるという展開が繰り返しあらわれる。たとえば、大事な人が亡くなったとき、各々が、それぞれ泣きだしたり唇を噛んだりたまらず部屋を出て行ったりしているというのに、主人公は感情を表にあらわせない。この一連の流れをカットバックでみせていく。

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 感情カットをわざわざご丁寧にアップショットで入れてくるという演出が映画アンドリューでは多用されている。このとき、役者はスクリーンに大写しで、これでもかと紋切り型の演技をする。でも、ぐっとくる。なぜなら、このシーンは主人公が決定的な使命を得る瞬間だから。アンドリューでは人間に近づくこと。ホームアローンではこども病院を守ること。きゅっと主人公の表情が引き締まる。もちろんそれをみている観客もそうなっちゃう。演出が物語の推進力を加速させている。

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 たぶん、いわゆる忌避される“泣きの演技”って演技ではなくて演出に問題があるんだと思う。当たり前のことを言ってるな。推測だけど、下手な映画の場合は演出とストーリーの関連性が薄いから陳腐になっちゃう。前に僕がここで書いた「なにか特別な映像表現があったとき、その場面に至るまでの積み重ねがあるとインパクトが強くなる」というのと同じ話題だと思う。
リアリティ重視が売りなのに事実関係を歪めて描くのは、どうなの「ゼロ・グラビティ」 - 知らないことを調べるブログ



 歌って踊れるデブの可愛い女の子が差別あふれる60年代のアメリカで周囲の人間を元気づけていくミュージカル映画「ヘアスプレー」は大当たり。もう、オープニングの登場シーン、特に、ヒッチハイクしたトラックの屋根に乗って歌うところで一気に心を持っていかれた。「あっ、この子の魅力にはどんな奴だってやられちゃう」と思った。トラックの運ちゃんもそんな顔になってる。

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Hairspray - Good Morning Baltimore (Movie Version) - YouTube

 主人公がずば抜けて魅力的な映画で、似たようなところでは、奥手の男が初めて恋愛を頑張る映画「40歳の童貞男」とか、テレビ番組として作られた世界の中でそれを知らずに生まれ育った男が外の世界を目指す映画「トゥルーマン・ショー」が近いかも。でも登場人物がみんな愛らしい映画ってあまりみたことがない。

 それに、愛らしいキャラクターたちが割りと次々に理不尽な目にあっていくのがぐっとくる。いちいちめげずに突破していくところが面白さのポイントだと思う。



 セット美術が当時独創的だったドイツ映画「カリガリ博士」は面白かった! 尺が短いし展開がわかりやすい。何より、その独特なセット美術が、「なんとなくアートでしょ」ではなくてきちんと物語と絡んでいたのが「やられた!」という感じ。まさかこういう映画だとは。ネタバレせずにみることができて幸せな映画のひとつ。同時期のサイレント映画ではキートンやロイドのコメディしか知らなかったので、その複雑さに驚いた。wikiをみたらこう書かれてる。

初期の映画では直線的なストーリー進行が大半を占めたが、本作品は、その中でも複雑な話法が採用された一例でもある。

カリガリ博士 - Wikipedia



 死体を入れた収納箱の上に料理を並べて被害者の両親を招いてばれないようにパーティを開くヒッチコック映画「ロープ」はみていてハラハラ。面白かった。悪趣味な状況設定ってみていて心地よい。

 ヒッチコックの有名な爆弾理論って、ポケットに忍ばせた銃に指をかけながら会話をするところとか、殺人の証拠になり得るロープが箱からはみ出ていることに犯人が気づくけど周りに人がいるせいで片付けられない、というところがそうなのかな。ヒッチコック映画は少ししかみていないけど今のところハズレなし。



追記:2014/11/21

 ヘアスプレーでジェームズ=マースデンが歌うシーンが宇宙家族ジェットソンっぽい。宇宙家族ジェットソンは、1962年から1963年にかけて放送されていたアニメで、ヘアスプレーで描かれている舞台と同じ年代。

The Nicest Kids in Town - Hairspray (Movie Clip) - YouTube

JET SCREAMER - Solar Swivel & Eep Opp Ork Ahh Ahh! - 1962 - YouTube