知らないことを調べるブログ

映画の分からないところを調べてまとめる場所にしていきます。

うわあ・・・うわあ・・・って、胸をえぐられるような気持ちになる「ミスティック・リバー」

 最近みた映画。
 
 ミスティック・リバー(2003)
 ホステル(2005)
 ファイナル・デスティネーション(2000)

 グッドフェローズ(1990)
 ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013)
 暗殺者の家(1934)
 北北西に進路を取れ(1959)

 黒い罠(1958)
 インサイド・ヘッド(2015)
 
 現在の殺人事件と過去の誘拐事件をめぐるミステリー「ミスティック・リバー」。姉から、「感想を聞きたいから一緒にみよう」と薦められて鑑賞。どうせクリント・イーストウッド監督作品だから、きっといつもの、どすーんと心地良い、頭にこびりつくような後味なんでしょ。そう思っていたら予想を超えてきた。うわっ。ここまでのこびりつきかたは初めてだぞ。これはイーストウッドで一番だ。
 
 ちなみに、僕がこれまでにみたことのあるイーストウッド監督作品はこれ。wikipediaで過去作品を調べたら、みたことのない映画がいっぱいあった。
 
 ガントレット(1977)
 許されざる者(1992)
 マディソン郡の橋(1995)
 ミスティック・リバー(2003)
 硫黄島からの手紙(2006)
 チェンジリング(2008)
 グラン・トリノ(2008)
 ヒアアフター(2010)
 J・エドガー(2011)
 アメリカン・スナイパー(2014)
 
 鑑賞中、この映画がミステリーであるせいか、意味ありげな何かが画面に隠されているのかも? と思って、一度も画面から気が散ることがなかった。体力を消費した。
 
  謎の男デイブを演じている、ティム・ロビンスがすごいぞ。終盤で真実が明かされるまで、ほんとうに謎の男だった。身長がでかくて怖いし(ティム・ロビンスの身長は195cm)。なにか大きな決意を胸に秘めているが誰にもそれを明かさず、かつ表情が暗いので、親しい人からも疑われてしまう感じ。脱獄映画「ショーシャンクの空に」のときと似ているなと思った。巧みな俳優だなあと思う。
 
 デイブの妻を演じている、マーシャ・ゲイ・ハーデンも良かった。この人は、怪物が徘徊する町のスーパーで籠城する映画「ミスト」で、ハルマゲドンを訴える狂信者を演じていた人。ミストでも、ミスティック・リバーでも、もう、一言で愚民、って感じの愚かな人物を、観客から同情させるように演じるのが本当に上手い。この人大好き。ミスティック・リバーで、一番うわあ・・・って目を細めてしまったのが、パレードの群衆の中でこの人がひどく動揺しているシーンだった。うわあ・・・うわあ・・・って、胸をえぐられるような気持ちになる。みていて顔がゆがむ。
 
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 なんといっても、この映画で素晴らしいのはショーン・ペンかなと思う。ショーン・ペンが演じているジミーという人物には、出来事を真摯に受け止めず、推論と感情論を織り交ぜながら話をそらすやつという特徴があって、すごくむかつく。話をそらさないでください、って何度もいらいらした。
 
 ここは、車がびゅんびゅんする映画「ワイルド・スピード」の主役のドミニクみたいな佇まいだなって思った。
 
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 でも、ドミニクみたいに勇敢では全然ない。印象が似ているのは、猟奇殺人の映画「冷たい熱帯魚」で、社本が娘の前で「生きるってのはな、痛いんだよ」って叫んだときの感じ。なんて薄っぺらいんだ。何かを悟った気になっている人が、それを絶対のものだと思い込んで、他人にその考えを押し付ける。
 
 たぶん押し付け感がきもいんだな。一人で考えを巡らせるだけなら良いものを。さらに、ジミーには行動力がある。劇中でジミーのとる行動にはすべて嫌悪感がつきまとう。ここまで嫌なのもすごいな。僕がひどく嫌う行動がリアルタイムで映画に反映されているかのようだった。
 
 そういえば、ヒッチコックの「サイコ」を姉とみているときに、映画との対話に成功していることに驚いた姉が(奥さんが電話をしきりに見てない? と話していたら、すぐに奥さんが「電話してみようかしら」と言う、とかそういうの)、「実はヒッチコックがここで私達の話を盗み聞きしているのでは」と言っていた。その後、鑑賞中に製作者の手のひらの上で踊らされていると感じる映画と出会ったとき、僕達のあいだではそれを「ヒッチコックが見ている」というようになった。
 
 
 
 拷問ショーに旅行者たちが巻き込まれていく「ホステル」。そう、でも・・・なかったかなあ・・・ごめん。
 
 期待の仕方を間違えてしまった。ふつうに面白かったよ。スロバキアへの偏見を煽るギャグは好みだし、可愛い変態キャラも登場するし、映画の途中でジャンルが変わる感じも、AKIRAみたいな映画「クロニクル」を連想させて好きだった。列車で変なおじさんと相席するところは忘れがたい。でも、もっと・・・過剰な期待をしていたのだろうなあ。
 
 可愛い変態キャラとは、このドリルを不必要に激しく回転させてびびらせようとしてくる男性。
 
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 どこかで見たことのある要素を、その魅力を縮小させてたくさん詰め込んだ感じ・・・
 
 あっ! 僕がどこかで見たのって、偏見を煽るギャグは、風刺ドッキリ「ボラット(2007)」、可愛い変態キャラは、ナチが秘密裏に武器人間を制作していた「武器人間(2013)」、ジャンル変化は「クロニクル(2012)」で、ぜんぶホステルより後につくられた作品だ。
 
 そうか。未来から過去の開拓者をみて、ふつう、とか僕は言っていたのだな。ばかだなあ。すいませんでした。
 
 でも、ふつうだったよ。
 
 
 
 死の運命にとらわれた若者たちがなんとか生き延びようと奮闘するホラー「ファイナル・デスティネーション」。すごく面白かった! ホステルとの違いはなんだろうか。
 
 ファイナル・デスティネーションは、ゾンビコメディ「バタリアン」をみたときの印象と似ていた。なんて言えばいいのかなあ。言葉がみつからない。大雑把にいうなら、よく練られている。こんなふうにまとめてよいものだろうか。ああ、表現する語彙が乏しくてやだよう
 
 ウェルメイドな感じ、っていう表現もいま思いついたけど、ウェルメイドな感じというとゾンビコメディ「ショーン・オブ・ザ・デッド」を連想させて、ショーン・オブ・ザ・デッドファイナル・デスティネーションの魅力は重ならないように思うので、なんか違う。
 
 うーん、まだ捉えきれていない魅力がありそうだ
 
 
 ところで、死の運命について解説してくれる葬儀屋のシーンがすごく楽しかった。なんだあれ。異常に怪奇映画っぽく重々しく解説してくれる。姉と「なにこれ、なにこれ」ときゃっきゃ楽しんだ。
 
 葬儀屋を演じている俳優はトニー・トッドさん。wikipediaにこう書いてある。ぜんぶ出演してるのか。怪奇漫画「アウターゾーン」のミザリーみたいな、怪奇譚における狂言回しなのかな。楽しみ。
 

ホラー映画『キャンディマン』シリーズの“キャンディマン”役が有名で、『ファイナル・デスティネーション』シリーズにもほぼ毎回出演している。
テレビでは、『スタートレック』シリーズでカーン(ウォーフの弟)、成長後のジェイク(ベンジャミン・シスコの息子)、ヒロージェン人と、複数のキャラクターを演じており、その他のSFやホラー系の作品にも数多くゲスト出演。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%89

 
 
 
 ヒッチコック「暗殺者の家」。図書館で鑑賞。睡眠不足でうとうとみちゃったんだけど、退屈するところが全然なくて、とても楽しかった。映像と音声の劣化がひどくて、大丈夫かな。という心配は杞憂だった。
 
 まず引き込まれたのが、序盤の、ダンスパーティーでの銃撃シーン。図書館じゃなかったら、きっと声を上げていた。ダンス会場で退屈している男性が、踊っている男の腰に毛糸をくくりつけてふざけて遊ぶ。愉快なシーンだなあと思ってみていると、突然窓ガラスが割れて、踊っている男が狙撃されたことがわかる。すっごい驚いた。サメに襲われる映画「ジョーズ」で、海に撒き餌を巻いていると、不意をついて海中からサメが姿を現すシーンがある。暗殺者の家は、それの源流にあるのかなと思った。
 
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 教会に潜入した主人公たちが、賛美歌に合わせて歌で会話するところも好き。あほみたいな歌声で「あの列のうしろの女~銃持ってるっぽい~♪」「どの列~わかんないよ~♪」「たららら~気をつけろ~そろそろやばいかも~♪」とか歌ってる。生きるか死ぬかの切迫した状況なのに、その間抜けな様子に笑っちゃう。
 
 ところが直後のシーンで不気味さを煽ってくる。このカメラワークがすごく効果的だなと思う。演説する修道女の主観ショットかなと一瞬思うんだけど、カメラが前方に進んでいく。この修道女は、演台にいながらにして、この空間を制御している。逃げることは叶わないようだ・・・という主人公たちの心情が強く伝わる。
 
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 そこに突然、修道女が「あなたのことですよ」と言う。たくさんの顔が一斉にこちらを向く。どきっとする。
 
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 ラストの銃撃戦も凄かった。いつ誰が死んでもおかしくないな、とはらはらする。女が弾薬を運ぶために、籠城している部屋から床をはって出口へ向かうところが、特に迫力があった。この室内には本当に銃弾が飛び交っていて、応戦している彼らはきっと恐怖で失禁しそうになっているのかもしれない。と想像させるほどだった。
 
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 80分弱だし、ちょっと目を閉じて時間つぶしにみようかな、と思った。でも、目を長く閉じていられたのは最初の10分程度だけで、はまってしまうと楽しいしはらはらする。好みの映画だった。
 
 
 
 ヒッチコック北北西に進路を取れ」。ブルーレイで鑑賞。すごく画が綺麗でびっくり。主役のケーリー・グラントがとても魅力的だった。なんだあの魅力は。高田純次のような・・・「このおじさんが大好きだぞ」と早々に気づいてからは、彼の行動がことごとく愛らしく見えた。
 
 建物がことごとく魅力的だったな。敵のアジトと、それから国連国連のビルすごいな。オープニングタイトルの、窓ガラスによるグリッドもすごいんだけど、もっとすごかったのが、映画中盤で、国連内部に入るときの、国連が天高くそびえ立っている様子。「国連のビルってすごいんだね・・・いや、すごすぎないか・・・?」と、姉と感動した。
 
 
 
 擬人化した感情たちが主人公の映画「インサイド・ヘッド」。楽しい! しみじみと、すごく好きだったなあ。今年「ミニオンズ」をみて、やばいこれはCGアニメのキャラクターで一番かわいいと思い、「ベイマックス」をみて、やばいこれはCGアニメで一番だと思い、インサイド・ヘッドをみて、やばいこれはCGアニメで一番だと思った。ぼくはあほだな
 
 先にみていたという姪が、キャラクターの中で、私はムカムカが好きと言っていた。僕もそうだったので、そうそう! と二人で喜んだ。
 
 そういえば、主人公のライリーの頭のなかでリーダーを務めているヨロコビだが、他の人の頭のなかでは、ヨロコビはたいてい一歩引いた立場を取っているのに気がついた。おそらく、個人が成長していくなかで、劇中でライリーのヨロコビがそうだったように、手に入れる思い出をヨロコビの色で染めていくよりも、一歩引いて、他の感情の割合が増えるほうが良いことなのだ。自分は、これまで前に出すぎていたのだ。と悟ったのではないかと思う。
 
 ライリーのお母さんのヨロコビが、一言も喋らずに、微笑みながら他の感情たちの会話を聞いているのが良いよね。